デスクトップPCの内蔵ストレージで、SMARTエラーが表示されるようになったため使用を中止したハードディスクがあります。
SMARTとはSelf-Monitoring Analysis and Reporting Technologyの略で、ハードディスク自身が持っている自己診断・監視機能です。 こいつからエラー警告が発せられたらハードディスクに何らかの障害が出ていることを意味しますので、すぐにデータを退避させてハードディスクを交換した方が良いようです。
ちなみにエラーの出たハードディスクをCrystalDiskInfoで確認するとこんな感じ。
ということで、このハードディスクは廃棄するしかないのですが、情報漏洩を防ぐためにデータを消去したいと思います。 本当は物理的に破壊してしまうのが確実なのでしょうが、自分で破壊するのは結構手間なので・・・
まずは通常フォーマット
このディスクは1TBの容量なのですが、クイックフォーマットではない通常のフォーマットをしてみたところ、不良セクタが多いせいか、丸一日以上掛かりました。
フォーマット後のハードディスクをHxDというフリーのバイナリエディタで直接覗いてみると、セクタ0のMBRテーブル以外にも情報が残っていることが確認できます。 この画面ではメッセージらしきテキストが確認できるので、何らかのプログラムが置かれているセクタのようですが、これ以外にも所々にゼロ以外のデータが確認でき、筆者には残っていてもいい情報かどうか判断できませんでした。 やはりこのまま廃棄するのは気持ち悪いですね。
Minitool Partition Waizardを使ってディスクの抹消
そこで、先日パーティション分割でお世話になったMinitool Partition Waizardにディスクの抹消機能があるので、使ってみました。
メイン画面のディスクマップで消去したいディスクを選択して、左側のアクションパネルで「ディスクの抹消」をクリック(あるいはメニューから<ディスク><ディスクの抹消>を選択)します。 なおディスクマップでパーティションを選択すると、選択したパーティションだけを抹消することもできるようです。
抹消方法を選択する画面が表示されますので、希望する抹消方法を選択してOKをクリックします。 フォーマットした後のためほとんどのセクタは既にゼロで埋まっていることから、今回は「セクタを1で埋め尽くす(高速)」を選択しました。
DoD5220なんたらというのは米国国防総省準拠の方法ですね。 時間が掛かる抹消方法は複数回の書き込みを行うので、より安全性は高いと思いますが、筆者は1回の書き込みで十分と判断しました。
これには一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)が公表している「パソコンの廃棄・譲渡時におけるハードディスク上のデータ消去に関する留意事項」(2018年10月改訂)を参考にしました。
巻末の「ユーザ向け Q&A」にそのものずばりの記述があったので、該当部分を引用しておきます。
Q4: データ消去ソフトウェアには各種の消去方法や軍関連の規格がありますが、どの方法を推奨されるのですか。 A4: 軍関連など機密データの消去に関しては、より強力なデータ消去の規格がありますが、一般的なデータであれば、基本的には固定パターンで 1 回塗つぶし消去を行えば十分と考えられます。それでも心配な場合は、データ消 去を 2 回行えばより安全です。軍関連などの機密データの消去に対応している場合は、その方法で消去すればさらに安全ですが、データ消去にかなりの長時間を要します。なお、作業終了後、作業が正常に終了したか、エラーが発生したかのログが取れるソフトウェアが推奨されます。
https://home.jeita.or.jp/page_file/20181025154114_OcyNEMuIAs.pdf
抹消方法選択画面でOKをクリックするとメイン画面に戻ってきますが、まだ実行されていません。
問題なければツールバー左端の「適用」をクリックすると、確認のダイアログの後、ディスクの抹消が実行されます。
高速の方式でも約8時間かかりました。
無事セクタ0を含め全てのセクタが1(16進表示でFF)で埋め尽くされたようです。
これで安心して不要ハードディスクを廃棄できそうです。